Interview#2 水産飼料事業部 S.N.
品質低下が起こりにくい、 養殖魚をつくりたい。
四国営業課
近畿大学大学院 農学研究科 水産学専攻。大学では食品保蔵を専攻。休日の過ごし方はドライブ、ゴルフ、料理。
現場を見ることで 養殖業を勉強したかった
大学では食品保蔵(食品を安全に保持すること)を専攻し、魚の鮮度の低下を抑制できるような冷凍魚肉の品質保持について研究していました。そこから、品質低下が起こりにくい養殖魚をつくることができれば特別な技術を使わず流通できるのではと思い、伊藤忠飼料を志望しました。
入社して研修を2カ月受け、そこから養殖の餌をつくっている工場で半年ほど研修をして四国へ配属されました。現在は養殖魚の飼料販売の営業を担当し、既存のお客様や新規のお客様の事務所や現場に訪問して、最適な飼料をご提案させていただいています。魚の体重や体長測定の他、お客様のご要望に合わせて配合試算を行うこともあります。もともと営業も研究もどちらもやってみたいと思って入社しました。養殖に関係した勉強をあまりしてこなかったので、まずは実際の現場を見て養殖業ではどのような会社が関わっているのかなどを理解したいと思いました。やはり業界の仕組みを知らないと研究にも活かせないので。
魚の数も餌の量も想像を超えていた
実際の現場は、想像していたのと規模感が全然違いました。お客様によって生簀(いけす)の大きさは様々ですが、養殖魚が数万尾も入っている生簀が海にいくつもあるので壮観です。1生産者で年間10万尾や30万尾、多いところでは100万尾以上も稚魚を入れられるので、使用する餌の量もすごいなというのを初めは感じましたね。
養殖魚は魚種にもよりますが出荷するのに丸2年ほどかかるのでその間はずっと餌をあげ続けます。海面養殖は気象や潮流の影響で環境がすぐに変わりますが、少しの環境の変化で養殖魚が突然餌を食べなくなることがあります。そのため思ったよりも餌の使用量が少ない週もあり予測が難しいです。その分在庫管理は難しいですが、先を読んで提案・販売するというのがこの仕事の面白さでもあります。
新しい銘柄で販売量を増やせた時は嬉しかった
養殖魚の場合、どれだけ魚が生き残ったかも評価されます。魚種にもよりますが出荷までに1割弱程は減ってしまうところ、病気が出るとそれが2割以上になることもあります。お客様からはよく育つ餌や、魚に負担がかからない餌、色や脂のつき具合を良くする餌など、様々な要望がありますが、付加価値が高く価格が安い飼料をどこまで提案できるか難しく感じることもあります。
四国に配属された年に、お客様のご要望で新しい飼料の銘柄をつくったことがありました。その餌を気に入って使っていただき、お客様の販売量を増やすことができ、今でもその餌を使っていただいています。結果がかなり重視される世界ですが、私の説明を信頼して製品を使っていただいたお客様から以前よりも良い結果が出たとご報告いただけた時は大変嬉しいです。また、自分が販売した餌で稚魚から出荷サイズまで育った魚が、全国の消費地へ出荷される瞬間はこの仕事を続けて良かったと感じます。
養殖は歴史が浅いから、 新しいことに挑戦できる
柔軟な対応ができて、チャレンジするのが好きな人であればこの仕事を楽しめると思います。現場では、飼料の号数変更(餌の粒のサイズ変更)や給餌量、出荷のタイミングなどの相談を受けることもあり、その場その場で臨機応変に提案しないといけない場面が多くあります。
また、海水魚の養殖は歴史がまだ浅く、ふ化の研究が始まってから100年ぐらい、実際に養殖されるようになってからは60年や70年ぐらいしか経っていません。まだまだ改善可能な部分が多いので、チャレンジしがいがあります。
養殖はコストの6〜7割が餌代になるので、生産者からは安くてよく育つ餌を求められます。今後は、生産者のことを考えた新しい餌のやり方や、面白い餌の開発を行っていきたいです。また消費者の環境に対する意識が高まっているので、環境のことも考えていきたいです。
ONE DAY ある日のスケジュール
OFF TIME オフのすごし方
釣りたて魚の調理に、ドライブに、宇和島を思いっきり満喫しています。
海が近いので海沿いをドライブしたり、趣味のゴルフをしたりすることが多いです。魚をお客様にいただくことがあるのですが、魚に限らず料理をするのが好きです。今いる宇和島営業所は、若手が中心でほぼ毎日顔を合わせるのでコミュニケーションが活発で仲が良いです。休みの日は同僚と遊びに行くこともあります。